犬の爪切りと耳掃除を安全に行う方法|初心者でも失敗しないステップ解説

犬の爪切りや耳掃除は、飼い主として避けて通れないお手入れのひとつです。しかし、間違ったやり方で進めると犬が怖がったり、うっかり傷つけてしまうリスクがあります。
本記事では、初心者でも安全に爪切りや耳掃除を行うための手順や道具選び、失敗しないためのポイントを詳しくご紹介します。愛犬がリラックスしてケアを受けられるよう、正しい声掛けや事前準備なども合わせて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
犬の爪切りと耳掃除が必要な理由
犬の爪を放置すると関節や足裏に余計な負担がかかり、耳を清潔に保たないと外耳炎などのトラブルに発展しがちです。ここでは、ケアを怠ったときに起こりうるリスクと、定期的にお手入れを行うメリットを整理していきます。
爪切りの重要性
- 歩行トラブルや関節への負担
爪が伸びすぎると地面に接地する角度が変わり、足先や関節にかかる負担が大きくなります。結果として歩行異常や関節痛を招く恐れがあります。 - 巻き爪や出血のリスク
特に室内飼いの犬は爪が自然に削れにくく、伸びた爪が肉球に刺さる「巻き爪」を起こしやすくなります。
耳掃除の重要性
- 耳垢や湿気の蓄積によるトラブル
垂れ耳や毛量の多い犬種は、通気性が悪くなり耳垢や湿気が溜まりやすいです。放置すると外耳炎や中耳炎が進行し、悪臭や強いかゆみを伴います。 - 寄生虫や感染症を予防
耳の中にダニや細菌が繁殖すると、皮膚炎や慢性的な病気のきっかけになることも。定期的に掃除することで、トラブルを未然に防ぎやすくなります。

特に垂れ耳の子は、湿気の多い時期は要注意だね!
爪切りの準備と道具選び
爪切りにはギロチンタイプやハサミタイプなど複数の形状があり、犬種や爪の状態によって使いやすさが異なります。また、切る前の段階でどんな準備をするかによって、犬がリラックスできるかどうかが大きく変わります。まずは道具選びと環境づくりのポイントを押さえましょう。
犬用爪切りの種類

- ギロチンタイプ
小型犬向けで、爪を穴に入れてカットする方式。視界がやや狭い一方、爪が柔らかい犬には使いやすいです。

- ハサミタイプ
中~大型犬の太い爪にも対応可能。ハサミのように開閉できるため、見える範囲が広くなり、切りたい位置を確認しやすいのが特徴です。

- 爪ヤスリやグラインダー
爪を少しずつ削って整える道具。出血リスクを減らせますが、時間と手間がかかる場合があります。
準備段階でのポイント
- 犬がリラックスできる環境を整える
静かで明るい部屋で行い、声掛けしながら犬を安心させましょう。椅子やテーブルなど高さがある場所では落下に注意。 - クイック(血管)の位置を把握する
爪が透明な犬は血管がピンク色に見えますが、黒い爪は見づらいので切り過ぎに注意が必要です。 - 止血剤やガーゼを用意
万一出血したときに備え、止血パウダーやガーゼなどを手元に置いておくと安心です。
初心者でも怖がらない爪切りステップ
爪の切り過ぎや出血を恐れるあまり、爪切りに苦手意識を持つ飼い主は多いものです。ここでは、犬が嫌がりにくい持ち方や切る角度、出血を防ぐ切り方など、具体的なステップを段階的に解説します。正しい手順を理解すれば、初心者でも安全に爪切りを行いやすくなるでしょう。
短時間で少しずつ切る
- 1日ですべての爪を切らなくてもOK
犬が嫌がる場合は、まず1〜2本切って終わりにするなど、段階的に慣らす方がスムーズです。 - ごほうびでポジティブに
切れたらおやつや声掛けで即時にほめ、爪切りへの苦手意識を少しずつ消してあげましょう。
正しい持ち方と切り方
- 犬の足を安定させる
後ろから抱えるようにサポートし、犬の指や爪が見えやすい位置でしっかり固定します。 - 切る角度と切る量に注意
爪の先端を少しずつ斜め下方向へ切ります。一度で深く切ろうとすると出血しやすいので、何度かに分けるのが無難です。
万が一出血したときの対処
- ガーゼで圧迫止血
出血が止まらない場合、止血パウダーなどを用いて圧迫します。 - 落ち着いて対処し、犬を安心させる
焦った様子を見せると犬の不安が増すため、できるだけ穏やかに声をかけ、愛犬を落ち着かせてあげてください。
耳掃除の道具と事前準備
耳掃除の難しさは、奥にある汚れを無理に取ろうとすると犬を痛がらせたり、逆に放置すると耳垢が溜まって炎症を引き起こしやすいこと。適切なクリーナーやコットンの選び方に加え、犬の耳を触る際の態勢や注意点をまとめました。
耳掃除に使うアイテム
- 犬用耳洗浄液
獣医師が推奨する液体を選び、アルコールが強すぎないものを使用すると安全。 - コットンやガーゼ
綿棒は耳の奥を傷つけるリスクがあるため、表面の汚れを拭き取る程度ならガーゼやコットンが望ましい。 - ライトまたは明るい場所
耳の奥まで確認できるよう、十分な明るさを確保してください。
イヤークリーナーの特徴
- 洗浄タイプと拭き取りタイプ
耳の中に液を注いで汚れを浮かせる方法と、コットンに液を含ませて拭き取る方法がある - 獣医師に相談する場合
外耳炎など皮膚がただれやすい犬は、適切な液体や頻度を獣医師に指導してもらうのが安心です。
耳掃除のステップと注意点
犬の耳に洗浄液を入れる際や、コットンで拭き取るときの手順を把握しておけば、耳掃除の負担を大幅に減らせます。ここでは、実際の流れをステップ別に詳しく解説し、犬が苦痛を感じないやり方とトラブルのサインを見逃さないコツに注目しています。
犬にリラックスしてもらう
- 耳を軽く触るトレーニング
耳周りを触られるのが苦手な犬には、日常的にやさしく撫でる時間を作り、慣れさせましょう。 - 声掛けで落ち着かせる
「大丈夫だよ」「えらいね」といった声掛けをしながら、耳掃除が怖いものではないと印象付けます。

できるだけ楽しい雰囲気でおこなうといいね!
実際の掃除手順
- イヤークリーナーを耳に入れる
犬の耳の根元を軽く持ち、液を適量注入。犬が頭を振る前に、耳の付け根をマッサージして汚れを浮かせます。 - コットンでやさしく拭き取る
耳の入り口やヒダの部分を拭き、奥深くには無理に入れないよう注意。 - 終わったらおやつでほめる
嫌がる犬でも、最後にごほうびを与えると次回の抵抗が少なくなります。

クリーナーを注入すると、どうしてもわんちゃんはびっくりして頭をブルブルしちゃうから、しっかり保定しよう!
トラブルサインを見逃さない
- 赤みや強いにおい
外耳炎や中耳炎の可能性が高いので、獣医師への相談を優先。 - 大きな耳垢の塊
無理に取ろうとせず、専門家の処置を受けたほうが安全。
皮膚トラブルやストレスの防止策
爪切りや耳掃除は、もしやり方を誤ると犬が痛みや恐怖を覚え、将来的にケアが難しくなりがち。そこで、正しい道具の使い方や無理なく続けられる工夫を紹介し、愛犬との信頼関係を保ちながらスムーズにお手入れを行うポイントを取り上げます。
道具の選び方を工夫する
- 刃先が丸いハサミ・爪切り
犬の皮膚を傷つけにくく、初心者にも扱いやすい。 - 低刺激のイヤークリーナー
アルコール分が強すぎると犬がしみる痛みを感じる場合があるため、獣医師推奨品の利用を検討。
ストレス軽減のためのアプローチ
- 短時間で小分けに行う
爪切りや耳掃除を一度に全て完璧にやろうとせず、犬が疲れたり嫌がったりしたら休憩を。 - 家族が協力してサポート
抑え役と作業役を分担するなど、安全性と犬の落ち着きを確保する工夫が有効。
まとめ
爪切りや耳掃除は、犬の健康と快適な生活を守るうえで欠かせないケアのひとつです。正しい道具選びや段階的な手順を踏めば、初心者でも安全に取り組めるようになります。犬がリラックスできる環境を整え、ごほうびや声掛けを活用して、ケア自体をポジティブな体験に変えていきましょう。
- 爪切り
やりすぎないよう少しずつ切るのがポイント。クイック(血管)を傷つけないテクニックを身につけると安心。 - 耳掃除
イヤークリーナーやコットンの使い方を把握し、深部に無理に触れないよう注意。 - 失敗を恐れず、正しい知識で対応
出血や嫌がりがあっても焦らず対応し、必要に応じて獣医師やトリミングサロンにサポートを頼むとよい。
愛犬の爪や耳が常に清潔で安全な状態だと、関節や皮膚のトラブルを予防できるだけでなく、犬とのコミュニケーションも向上します。ぜひ今回のステップを参考に、日常ケアのクオリティを上げてみてください。