犬がかかりやすい病気とその対策|腎臓病・心臓病・糖尿病の注意点とケア法

犬も人間と同じく、加齢や生活習慣、遺伝的な要因などによってさまざまな病気を発症する可能性があります。特に「腎臓病」「心臓病」「糖尿病」は犬が比較的かかりやすい疾患として知られており、早期発見と適切なケアが重要です。
本記事では、こうした病気の初期症状や日常から気をつけるべきポイント、治療方針や飼い主ができるサポート方法を詳しく解説します。愛犬が健康的な生活を長く送れるよう、ぜひ一度チェックしてみてください。
犬がかかりやすい主要な病気とは
犬は年齢や体質・遺伝的要因、日々の生活習慣などによって、特定の病気にかかるリスクが高まります。ここでは、犬が代表的にかかりやすい腎臓病・心臓病・糖尿病を中心に、その特徴や怖さを踏まえて「なぜ気をつけるべき病気なのか」を見ていきましょう。
腎臓病
- 特徴とリスク
腎臓は体内の老廃物や余分な水分を排出する重要な臓器ですが、犬が年齢を重ねるにつれ機能が低下しやすいです。慢性腎不全や急性腎不全など、進行度や症状の出方もさまざま。 - 初期症状に出やすいサイン
水をよく飲む、尿量が増える、体重が減少するなどが見られたら要注意。特に食欲不振や嘔吐が続く場合は早めに獣医師へ相談してください。
心臓病
- 特徴とリスク
僧帽弁閉鎖不全症など、弁がうまく機能しなくなる病気が多いです。特に小型犬に多く、中・大型犬でも心筋症などが見られることがあります。 - 初期症状に出やすいサイン
疲れやすい、散歩中に息が荒くなる、咳や呼吸困難を起こすなど。犬がぐったりしている、歩くのを嫌がるといった行動変化があれば早期受診を。
糖尿病
- 特徴とリスク
インスリンの分泌・機能障害により、血糖値が高い状態が続く病気。食事や肥満、遺伝的要因が影響するケースが多いです。 - 初期症状に出やすいサイン
多飲多尿、食欲が増えるのに体重が減る、白内障が急速に進行するなどが代表的。犬が何度も水を飲み、頻尿気味になっている場合は糖尿病を疑うことも重要。

わんちゃんの不調は何かしらのサインを見逃さないことが大事!
早期発見のためのチェックリスト
腎臓病や心臓病、糖尿病など、重症化すると命にも関わる病気ですが、初期段階では小さなサインを見逃しがちです。愛犬が普段どのような行動をしているか、どんな症状が出れば警戒が必要かを明確にして、早い段階で異常に気づくためのヒントをお伝えします。
日常観察で注意すべきポイント
- 食欲や体重の急激な変化
食欲不振が続く、逆に異常に食べるのにやせていく場合は内臓疾患の可能性が高まります。 - 飲水量と尿量の増減
多飲多尿は腎臓病や糖尿病の兆候であることが多いため、普段からおおよその飲水量を把握しておくと安心。 - 呼吸や運動量の変化
心臓病では咳が出る、呼吸が苦しそう、散歩中に急に止まるなどが見られるので、気になったらすぐに受診を。

おしっこやお散歩など、毎日の生活でのちょっとした変化を見逃さないようにしよう!
定期健康診断の活用
- 年1回~2回の血液検査
腎臓の数値(BUN、クレアチニン)や血糖値、心臓の雑音などを早期に確認することで重症化を防ぎやすいです。 - 心臓超音波検査(心エコー)やレントゲン
心臓病が疑われる場合、さらに詳しい検査で状態を把握し、適切な治療につなげます。

腎臓病の対策と日常ケア
腎臓は老廃物の排出や体内の水分バランスを担う重要な器官であり、一度機能が低下すると回復が難しいとされています。ここでは、初期症状から治療の流れ、日々の食事や水分摂取量のコントロールなど、腎臓病を防ぎ、進行を遅らせるケア法を詳しくまとめました。
フードや水分管理
- 腎臓ケア用フードの選択
塩分やリン、たんぱく質を制限した療法食が獣医師から推奨されることがあります。自己判断で変える前に必ず相談を。 - 水分をこまめに補給させる
腎臓の負担を軽減するためにも、犬がいつでも新鮮な水を飲めるように環境を整えましょう。
運動とストレス軽減
- 適度な運動で体調維持
長すぎる運動は腎臓に負担がかかる場合があるので、短時間の散歩を数回に分けるなど負荷をコントロール。 - ストレスは免疫力にも影響
過度な音や長時間の留守番など、犬がストレスを感じやすい状況を減らし、穏やかな環境を作ってあげてください。
獣医師との連携
- 定期的な血液検査
腎臓の数値(BUN、クレアチニンなど)を追い、悪化していないか確認する。 - 点滴治療や薬の処方
症状が進んだ場合、皮下点滴や薬物療法が必要になるため、早期受診が重要です。
心臓病の対策と日常ケア
犬は加齢や遺伝的要因などで心臓病を起こしやすく、咳や疲れやすさなどのサインを見逃すと、病気の進行に気づけないことがあります。この章では、心臓病の代表例や症状、体重や運動量の管理方法、獣医師による診断・投薬と併用する日常ケアのポイントをご紹介します。
食事と体重管理
- ナトリウムを控えめに
心臓に負担をかけないために、塩分過多を避けるフードを選ぶ。 - 肥満は心臓に大きな負荷
運動不足やおやつの与えすぎに注意し、適正体重をキープできるようこまめに体重を測ってください。
適度な運動と休憩
- 散歩は短めを複数回
一気に長距離を歩かせると心拍や呼吸が乱れやすいので、犬の体力に合わせて休憩を挟みましょう。 - 室内でも軽い遊び
外出が難しい日やシニア犬の場合でも、室内でのおもちゃ遊びをこまめに挟むとストレス軽減になります。
獣医師の診察と投薬
- 定期的な心エコーやレントゲン
心臓の形態異常や血液の逆流具合をチェックし、進行度を把握する。 - 投薬(利尿剤や血管拡張薬など)
状態に合わせて投薬が指示される場合もあり、自己判断で薬をやめないよう注意。
糖尿病の対策と日常ケア
糖尿病はインスリンの分泌や働きに障害が起こることで血糖値が不安定になる病気です。犬が多飲多尿や体重の急激な変化を見せたら、糖尿病を疑う必要があります。ここでは、インスリン注射や専用フードをはじめとする治療法の概要と、飼い主が注意しておくべき日常ケアを解説します。
食事管理
- 炭水化物のコントロール
血糖値の安定を図るために、獣医師推奨の糖尿病向けフードや低GIの食材を検討します。 - 食事時間とインスリン注射の調整
インスリン治療が必要な場合、投与時間と食事のタイミングを合わせることが大切。必ず獣医師の指導を受けてください。
適度な運動で血糖値を安定
- 散歩などの有酸素運動
血糖値を下げる効果が期待されるため、毎日無理のない範囲での運動を続けると効果的。 - 過度な運動は低血糖に注意
長時間走らせるなど、激しい運動で血糖値が急落するリスクがあるため、犬の様子を見ながらコントロール。
血糖値のモニタリング
- 定期的な血液検査
獣医師の指示のもと、糖化アルブミンやフルクトサミン値などをチェックし、投薬や食事を微調整します。 - 低血糖時の応急措置
万が一、ぐったりして呼びかけに応じないなど低血糖が疑われる場合は、すぐにブドウ糖や砂糖水を与え、状態が改善しなければ緊急受診が必要です。

どの病気にも共通して大切なことは、食事と運動!日頃からしっかり気をつけていこうね。
まとめ
犬の腎臓病・心臓病・糖尿病は、いずれも飼い主が意識しておくべき重大な疾患です。早期発見と正しいケアができれば、症状の進行をゆるやかにし、犬が快適に生活できる可能性を高められます。
- 症状の早期発見がカギ
食欲や飲水量の変化、運動時の息づかい、体重の急激な変化などを常に意識する - 獣医師との連携を強化
血液検査や画像診断を定期的に受け、病気の進行度合いに合わせて治療方針を調整する - 食事・運動などの日常ケアを大切に
低塩分のフードや適度な運動、肥満予防など、飼い主のコントロールでリスクを減らしやすい
愛犬が長く元気に暮らせるよう、腎臓病・心臓病・糖尿病を含め、病気のサインを見逃さずにケアを続けてください。何より早期に対応すれば治療の選択肢も広がり、犬のQOL(生活の質)を高めることができます。