犬が家具や物をかじる行為は、飼い主にとって頭の痛い問題です。飼い主が目を離した隙にソファやテーブルの脚が傷だらけに…という経験をお持ちの方も多いでしょう。実は、犬が物をかじるのにはストレス発散や欲求不満などさまざまな原因があります。
本記事では、愛犬が破壊行動を起こす原因や、噛んでもいいおもちゃの選び方、破壊癖を直すトレーニング方法を分かりやすくまとめました。家の被害を最小限に抑え、愛犬との暮らしをもっと快適にするためのヒントを見ていきましょう。
犬がかじる行為の主な原因
本能的な欲求
- 犬は狩猟本能や噛むことでストレスを解消する特性を持っており、特に若い犬や活動的な犬種は噛みたがる欲求が強いです。
- 歯の生え変わり時期や顎を使いたい欲求が高い時期には、固いものをかじって満足しようとすることもあります。
ストレスや退屈
- 散歩や遊びが不足
十分にエネルギーを発散できないと、犬は代わりに家具や物をかじって欲求不満を解消しようとする場合があります。
- 留守番時の分離不安
飼い主の不在に対する不安や退屈が、家具や物を噛む行動として現れることも多いです。
ストレス発散のために、家具をかじってしまうこともあるんだね!
飼い主とのコミュニケーション不足
- 要求吠えと同様、かじることで「構って」「退屈だよ」とアピールする犬もいます。
- かじった後に飼い主が大声で反応すると、犬がそれを「注目を得る行為」として学習する場合もあるため、注意が必要です。
犬が家具や物をかじる問題行動を防ぐポイント
かじっていいオモチャを用意する
- 噛んでもいいものを明確に
かじっていいおもちゃやボーンを与え、「これなら噛んでも大丈夫」という選択肢を作ってあげる。
- 素材選び
ナイロンやゴム製の丈夫なもの、動物性原料のボーンタイプなど、犬が興味を持ちやすく安全な素材を選びましょう。
誤飲してしまわないように、素材やサイズには気をつけよう!
適切な運動量を確保
- 散歩や遊びの時間を増やす
朝と夕方の散歩をしっかり行い、走る・追いかけるなど体力発散できる機会を与えると、ストレスによる破壊行動を減らせます。
- 室内での遊びや知育トイ
雨の日や時間の都合で外に出にくい場合も、ボール遊びやノーズワーク、知育トイで頭と身体を程よく使わせると退屈を和らげられます。
しつけの基本ルールを徹底
- 家族全員で一貫した対応
犬が家具などをかじったとき、誰かは大声で叱る、誰かは無視する、というように対応がバラバラだと混乱を招きます。
- 味付けや油分を控える
(しつけ自体ではないが、物理的対策として「家具に塗る苦味スプレー」などで噛む行為を抑制する場合もあるが、根本解決にはならない)
ステップで見るトレーニング手順
家具をかじったときの対処方法
- 犬がかじっている場面を発見
すぐに大声で怒るのではなく、落ち着いたトーンで「ダメ」「いけない」と短く伝える。
- 正しい対象へ誘導
噛んでもいいおもちゃやボーンを差し出し、「こちらを噛むといいことがある」と意識づけ。成功したらほめる。
- 大きなリアクションは避ける
かじった瞬間に飼い主が大騒ぎすると、「噛む=飼い主が反応する」と学習してしまう可能性があり逆効果になる。
噛まなくてもいい状態をほめる
- 犬が家具に気を取られず、静かに過ごしているときほど、「いい子だね」と声をかけたり撫でたりして、良い行動を強化する。
- 家具をかじる行為はどうしても目立ちやすく、飼い主も叱るタイミングに注目しがちだが、「かじっていない時間」を見逃さずにほめるほうが、犬は理解しやすい。
留守番での対策
- 部屋を区切るかクレートを利用
広いスペースで自由にさせると、退屈しやすい犬は特定の家具をターゲットにしやすい。クレートやサークルを利用して管理するのも有効。
- おもちゃや知育トイを置く
留守番時の退屈による破壊行動を防ぐため、噛んでもいいものや遊びがいのある知育トイを用意しておく。
お留守番中に、部屋中の家具をボロボロにしちゃってるわんちゃんを見たことあるよ…
後にも出てくるけど、帰宅後に叱ってもわんちゃんは意味がわからないから、現行犯を見つけた時に叱るようにしよう。
叱るタイミングと注意点
叱るときの声掛けは短く
- ダラダラ怒り続けると犬は何が悪いのかわからなくなり、逆に不安やストレスを増す。
- 「ダメ」「いけない」といった短い言葉を低めのトーンで伝え、すぐに態度を切り替える。
現行犯以外は叱らない
- 犬がかじった後で時間が経ってから叱っても、犬は「何が悪かったのか」を理解できない。
- 破壊行動を事後に見つけても、タイミングが遅い叱りは効果が薄いため注意。
よくある質問
家具をかじらないように片付けるしかない?
- 犬が好んで噛む物を極力片付けるのは一つの方法ですが、根本解決には「噛んでもよい物の用意」と「噛む行為に対するしつけ」が不可欠です。
噛むと危ないもの(電源ケーブルなど)はしまっておこう!
苦いスプレーなどは効果的?
- 家具に塗る苦味スプレーは一時的な対策として有効な場合がありますが、犬がそれを慣れてしまうと効かなくなることも。根本的には正しい噛む対象の提供としつけが重要です。
家族によって対応が違うと混乱しますか?
- 大いに混乱します。誰かが大声で叱り、誰かが優しく対応、またはおやつを与えるなどバラバラだと、犬はかじった後の一貫性がない行動を学習しづらいです。
まとめ
家具や物をかじる行為は、犬のストレス発散や本能から来る場合が多いため、罰するだけでは根本的な解決になりません。噛んでもいいおもちゃを与えて正しい行動へ導き、十分な運動やコミュニケーションを確保してストレスを減らすことが重要です。
- 必要な運動量を確保し、退屈を防ぐ
- かじる場面を見つけたら正しい対象へ誘導し、うまくいったらほめる
- 現行犯以外のタイミングで叱らず、声掛けは短く的確に
飼い主のコントロールと犬の欲求やストレス発散が両立できれば、破壊行動のリスクは大幅に下がります。家の被害を最小限に抑え、犬との暮らしを快適にするために、ぜひ本記事を参考にトレーニングを進めてみてください。