犬の散歩中の引っ張りグセを直すリードワークで愛犬との外出を快適に

散歩は犬とのコミュニケーションを深める大切な時間ですが、犬がリードを強く引っ張ると飼い主にとって大きなストレスになります。引っ張りを放置していると、散歩が億劫になるだけでなく、危険な状況に発展する可能性もあります。
本記事では、犬の引っ張りグセを改善し、安全かつ楽しめる散歩を実現するためのポイントや具体的なリードワークを詳しく解説します。初心者でも始めやすい手順をまとめましたので、ぜひ取り入れてみてください。
犬がリードを引っ張る主な理由
飼い主より先に行きたい
犬は好奇心旺盛で、興味のあるものが視界に入ると自然と前へ前へ進もうとすることがあります。特に若い犬や活発な犬種は、エネルギーに溢れているため、飼い主を置いてどんどん先に進みたがるのが特徴です。
外部刺激への反応
他の犬や猫、車、人などの刺激が犬の視界に入ると、思わずその対象へ向かおうとするケースがあります。においをかぎたい、挨拶したい、追いかけたい、といった気持ちがリードを引っ張る動作につながります。
運動不足やストレス
普段から十分な運動が足りていない犬は、散歩時の興奮度が高くなりやすいです。ストレスを解消しようとリードを引っ張って走り回るなどの行動に出ることも多いため、適度な運動量を見直すことが大切です。

うんうん、わんちゃんに引っ張られている人、たまにいるよねぇ

事故につながることもあるから、しっかり直したほうがいいよ!
準備と基本的な心構え
静かな環境でリードワークを始める
- いきなり刺激の多い公園や大通りに行くより、近所の比較的落ち着いた路地や人通りの少ない時間帯に練習を始めると、犬が集中しやすくなります。
- 犬が「どこに向かうのか」をよく理解できるよう、コースがシンプルな場所を選ぶと効果的です。
適切な道具を選ぶ
- リードの長さ
基本は1.2~1.5メートル程度のリードがコントロールしやすいです。長すぎるフレキシリードや伸縮リードは、引っ張り癖が直るまでは避けたほうが無難です。 - 首輪かハーネスか
首輪の場合、引っ張りが激しい犬は気管や首に負担がかかるリスクがあるため、胸や背中で支えるハーネスを検討するのも一案です。犬の体型や健康状態に合わせて選んでください。
おやつやほめ方の準備
- ごほうびとなるおやつを小さくカットして用意し、散歩中もすぐに取り出せるポーチやポケットに入れておくと便利です。
- 犬がリードを引っ張らずに歩けたら、こまめに声や撫でる行為でほめるか、おやつを与えて成功体験を積み重ねます。

引っ張らずに歩けたらご褒美がもらえるんだ、という成功体験の流れを覚えさせてあげよう!
リードワークの基本テクニック
リードの持ち方を安定させる
- 片手でリードを短めに持つ
あまりたるみがありすぎると犬が自由に前へ行きやすく、逆に張りすぎても犬が窮屈に感じます。理想は犬が飼い主の横を歩ける程度の長さを確保すること。 - もう片方の手で補助
強い引っ張りがある場合は、リードをたぐり寄せたり、体に当てるようにしてしっかりホールドすると安全。
犬が引っ張ったら立ち止まる
- 無言で止まる
犬が急に引っ張ったら、こちらは動かず、リードを短めにして静止します。 - 犬がリードを緩めたら再開
犬が「引っ張っても進めない」と気づき、張りを緩めた瞬間に「いい子だね」などと声をかけ、前進を再開します。これを繰り返すことで「引っ張らなければ前に進める」と学習します。
横につかせる練習
- オスワリやマテを組み合わせる
外で犬が落ち着かない場合は、一度オスワリさせて落ち着かせ、再度歩き出すときに並走させる形にします。

- 方向転換のタイミング
犬が引っ張りそうになったらあえて方向を変えてみるのも有効です。犬は飼い主を意識して歩く必要があるため、引っ張りが減りやすくなります。
引っ張り癖を直すときの注意点
焦らず段階的に進める
- 無理に長距離を歩こうとせず、最初は家の周りを回る程度でもOK。何度か往復しながら、犬がリードの張りを感じにくいペースをつかみます。
ほめるタイミングを逃さない
- 犬が「リードを緩めて歩いている」タイミングをこまめに褒めることが大事です。引っ張ったときばかり注目せず、「うまくいっている時」を見逃さないようにしましょう。

「引っ張ったから叱る」だけじゃなく「引っ張らずに歩けているから褒める」を繰り返そう!
家族みんなでやり方を統一
- 散歩担当が複数いる場合、同じリードワークや合図を使わないと、犬が混乱して引っ張りがなかなか改善しないことがあります。
よくあるトラブルと対処法
他の犬や人が気になりすぎる
- 視線や意識を飼い主に戻させる
犬が他の犬や人に強く興味を示したら、名前を呼んでアイコンタクトを狙い、おやつや声掛けでこちらに注意を向けさせる。 - 安全な距離を保って練習
いきなり近距離で接触しようとすると犬が興奮しやすいので、少し離れた状態で「見慣れる」ステップを踏むのも有効。
ハーネスや首輪を嫌がる
- 装着練習を部屋で行う
まずは短時間装着し、痛みや窮屈さがないか確認。褒めながらハーネスや首輪に慣れさせていく。 - サイズが合っているか再チェック
犬が苦しそうにしていないか、指が2本入る程度の余裕があるかなど確認を。

わんちゃんの体型や体調、性格に合わせて、ハーネスにするか首輪にするか決めてあげよう!
引っ張りが改善しない
- おやつやトーンを見直す
犬が飽きたおやつを使っているとモチベーションが下がるケースがあり、声のトーンが低すぎて伝わりにくいことも。 - プロの力を借りる
どうしても難しい場合は、ドッグトレーナーや獣医師に相談して具体的なアドバイスを受けるのも一つの方法。
まとめ
散歩中の引っ張りグセは、多くの飼い主が悩む代表的な問題行動です。しかし、適切なリードワークと練習方法を身につければ、犬が飼い主のペースに合わせて落ち着いて歩けるようになります。
- 環境と道具を整え、短い距離や時間からゆっくり始める
- 引っ張ったら止まり、リードがゆるんだタイミングで再び進む
- ほめるタイミングを重視し、犬に「引っ張らないほうが得」と理解させる
しつけは一朝一夕にいくものではありませんが、コツコツ取り組むことで確実に成果が出ます。ぜひ本記事のポイントを活かして、愛犬との散歩を快適に楽しんでください。