犬の土用のごはん手作りレシピ:胃腸をいたわるヘルシー食事で季節の変わり目をサポート

季節の変わり目である「土用」の時期は、犬にとっても体調管理が難しくなりがちです。気温や湿度が急激に変化するため、胃腸(消化器)や自律神経に負担がかかりやすいことが知られています。
本記事では、立春・立夏・立秋・立冬の前18日間を指す土用の基本知識と、胃腸にやさしく水分補給にも役立つ「土用のごはん」レシピをわかりやすく解説します。消化にやさしい手作りごはんで、季節の変化からくるストレスや体調不良をサポートしましょう。
土用とは何か
土用の定義と犬が気をつけたい理由
- 土用の期間
立春・立夏・立秋・立冬の前18日間を指し、年に4回あります。気温や湿度が急に変化しやすいため、犬の自律神経と胃腸に負担がかかるといわれています。 - 体調面への影響
気候の変化で食欲不振や消化不良に陥りやすく、水分不足や体力低下にもつながります。犬種や体格によっては、皮膚・被毛トラブルのリスクも高まる時期です。

人間と同じく、わんちゃんも季節の変わり目に体調を崩しやすいから、気をつけよう!
土用のごはんがもたらすメリット
- 胃腸をいたわる食材選び
低脂肪のタンパク質や水分豊富な野菜類を取り入れ、消化をサポート。 - 水分補給で暑さ対策
暑い時期や乾燥した環境下での水分不足を、汁気や野菜の水分で補う。
土用のごはんレシピのポイント
主な食材と特徴
- 鶏ささみややず(ブリの若魚)
低脂肪・高タンパクで消化しやすく、胃腸にやさしい。軽い湯通しでアクや臭みを除き、煮込むのが基本。 - 野菜類(にんじん・大根・ぶなしめじ・れんこん・長いも・ブロッコリーなど)
ビタミン・ミネラル・食物繊維を多く含む。一度に煮て柔らかく仕上げ、水分補給にも役立つ。 - ごはん
カロリー源として少量を加え、エネルギー不足を補う。炭水化物が苦手な犬の場合は量を調整。
味付けや油分は基本不要
- 犬の食事では塩や調味料を控え、素材の香りと旨味だけで十分。
- 人用にする際は、犬用を先に取り分けてから味付けする。

人間の食事と違って、味付けはしなくていいんだね!
土用の時期に合わせた分量表は下記を参照し、愛犬の体重や消費エネルギーを目安にしてください。いずれも一日分の合計量を想定し、二回に分けて与えるのがおすすめです。
成長期の子犬向けの分量(1.5倍のエネルギー量)
体重 (kg) | 鶏ささみ/やず (g) | ブロッコリー (g) | にんじん (g) | ぶなしめじ (g) | れんこん (g) | 大根 (g) | 長いも (g) | ごはん (g) | 水 (ml) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 15 | 5 | 5 | 3 | 5 | 3 | 3 | 15 | 75 |
2 | 30 | 9 | 9 | 6 | 9 | 6 | 6 | 30 | 150 |
3 | 45 | 14 | 14 | 9 | 14 | 9 | 9 | 45 | 225 |
4 | 60 | 18 | 18 | 12 | 18 | 12 | 12 | 60 | 300 |
5 | 75 | 23 | 23 | 15 | 23 | 15 | 15 | 75 | 375 |
6 | 90 | 27 | 27 | 18 | 27 | 18 | 18 | 90 | 450 |
7 | 105 | 32 | 32 | 21 | 32 | 21 | 21 | 105 | 525 |
8 | 120 | 36 | 36 | 24 | 36 | 24 | 24 | 120 | 600 |
9 | 135 | 41 | 41 | 27 | 41 | 27 | 27 | 135 | 675 |
10 | 150 | 45 | 45 | 30 | 45 | 30 | 30 | 150 | 750 |
成犬向けの分量(標準エネルギー量)
体重 (kg) | 鶏ささみ/やず (g) | ブロッコリー (g) | にんじん (g) | ぶなしめじ (g) | れんこん (g) | 大根 (g) | 長いも (g) | ごはん (g) | 水 (ml) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 10 | 3 | 3 | 2 | 3 | 2 | 2 | 10 | 50 |
2 | 20 | 6 | 6 | 4 | 6 | 4 | 4 | 20 | 100 |
3 | 30 | 9 | 9 | 6 | 9 | 6 | 6 | 30 | 150 |
4 | 40 | 12 | 12 | 8 | 12 | 8 | 8 | 40 | 200 |
5 | 50 | 15 | 15 | 10 | 15 | 10 | 10 | 50 | 250 |
6 | 60 | 18 | 18 | 12 | 18 | 12 | 12 | 60 | 300 |
7 | 70 | 21 | 21 | 14 | 21 | 14 | 14 | 70 | 350 |
8 | 80 | 24 | 24 | 16 | 24 | 16 | 16 | 80 | 400 |
9 | 90 | 27 | 27 | 18 | 27 | 18 | 18 | 90 | 450 |
10 | 100 | 30 | 30 | 20 | 30 | 20 | 20 | 100 | 500 |
シニア犬(0.8倍エネルギー量)
体重 (kg) | 鶏ささみ/やず (g) | ブロッコリー (g) | にんじん (g) | ぶなしめじ (g) | れんこん (g) | 大根 (g) | 長いも (g) | ごはん (g) | 水 (ml) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 8 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 8 | 40 |
2 | 16 | 5 | 5 | 3 | 5 | 3 | 3 | 16 | 80 |
3 | 24 | 7 | 7 | 5 | 7 | 5 | 5 | 24 | 120 |
4 | 32 | 10 | 10 | 6 | 10 | 6 | 6 | 32 | 160 |
5 | 40 | 12 | 12 | 8 | 12 | 8 | 8 | 40 | 200 |
6 | 48 | 14 | 14 | 10 | 14 | 10 | 10 | 48 | 240 |
7 | 56 | 17 | 17 | 11 | 17 | 11 | 11 | 56 | 280 |
8 | 64 | 19 | 19 | 13 | 19 | 13 | 13 | 64 | 320 |
9 | 72 | 22 | 22 | 14 | 22 | 14 | 14 | 72 | 360 |
10 | 80 | 24 | 24 | 16 | 24 | 16 | 16 | 80 | 400 |
土用のごはんの作り方
材料を揃える
- メインのタンパク源(鶏ささみ やず)を用意
肉や魚は買ってきた当日に使うか、冷凍品ならあらかじめ解凍 - 野菜類を確認
野菜は鮮度が良いほどビタミンや水分がしっかり残っています。
根菜やきのこ類も色鮮やかで傷んでいないものを選びます。 - ごはんやトッピングも用意
白米を柔らかく炊いたものや、ゆで卵の黄身などを後から加えると彩りアップ
下ごしらえ 野菜編
- 固い野菜(れんこん、にんじん、大根など)は皮をむき、薄切りや小さめの角切りにする
大きめに切ると火が通りにくいため、最初は小さめにしてみると失敗が少ない - ぶなしめじは石づきを落とし、小房に分けたブロッコリーと合わせておく
柔らかい野菜は後半に加えてもOK - 長いもは皮をむいて、一口大にカットする
粘りが出るので包丁やまな板が滑らないよう注意
下ごしらえ 肉・魚編
- 鶏ささみややずは、血合いや余分な脂肪が気になるときは取り除く
- 湯通し用に別の小鍋またはフライパンにお湯を沸かし、軽く投入して表面のアクを出す
火の通りすぎを防ぐため、完全に中まで茹でる必要はありません
野菜を茹でる
- 大きめの鍋に水を入れて火にかける
沸騰してきたら硬い野菜(れんこん・にんじんなど)から順に投入 - 具材が少し柔らかくなってきたら、ブロッコリーやぶなしめじなど火の通りやすい野菜を加える
- アクが出てきたら丁寧にすくい取り、野菜が全体的にしんなりするまで茹でる
肉・魚を合流させる
- 湯通しした鶏ささみ やずを加え、野菜と一緒に煮込む
ここでしっかり火を通すことが重要 - 肉や魚から出る旨味が野菜に染み込み、スープ全体に味わいが出る
- 食材同士が崩れすぎないよう、煮込みすぎには注意
ごはんとトッピング
- ごはんを加えるなら、カロリーを見ながら少量ずつ入れる
一度にたくさん入れると炭水化物が過剰になりやすいので気をつける - ゆで卵の黄身や少量のごま、かぼちゃペーストなどをトッピングすると彩りが良くなる
- 味見(犬に味付けは不要)
飼い主がスープや具の硬さを確認し、適度な柔らかさかチェック
冷ます
- 火を止めたら全体を混ぜて余熱でさらに火を通す
- 人肌程度まで冷ましてから犬に与える
- 高温で与えると口腔や食道をやけどするリスクがあるため注意
- 残った分は清潔なタッパーなどに入れて冷蔵保存し、1~2日以内に使い切る
よくある疑問
Q. 塩や調味料は必要ないの?
土用のごはんを作るときに、「少しだけ味をつけた方がおいしいんじゃないか」と感じるかもしれません。ですが、犬は食材の本来の味と香りだけでも意外と満足できるんです。むしろ塩分や油分を過剰に与えると、体に負担をかけることもあります。人間と同じ感覚で味付けをすると塩分が多くなりがちなので、犬用はシンプルな仕上げにすると安全・安心です。
Q. 豆腐やかぼちゃに置き換えても大丈夫?
豆腐やかぼちゃ、さつまいもなどは自然な甘みやタンパク質を補える優秀な食材です。食欲が落ちている犬でも食べてくれることが多いですね。鶏ささみややず(ブリの若魚)の代わりに豆腐をプラスしたり、野菜の一部をかぼちゃに切り替えたりと、バリエーションを増やすと飽きずに食べてもらえます。ただし、新しい食材を使うときは少量ずつ様子を見ながら与え、体調や便の状態に変化がないか確認してみてください。
Q. 水分はどれくらいあげればいいの?
レシピの水分量は目安ですが、季節や犬の体調によって必要量は変わります。夏場は特に喉が渇きやすく、熱中症予防のためにもこまめな給水が欠かせません。冬場でも意外と乾燥していることがあるので、飲水を軽視しないほうがいいでしょう。煮込み料理やスープを多めにするなど工夫しながら、日頃から水皿をチェックし、愛犬が飲みたがっているときにすぐ対応できるようにしておくと安心です。
注意点とまとめ
土用の時期は、暑さと寒さが混在する季節の変わり目で、犬の胃腸や体力が落ちやすい傾向があります。鶏ささみややずなど消化しやすいタンパク質と、多種多様な野菜を組み合わせたこのレシピは、犬の水分と栄養補給を手助けし、体調管理をサポートしてくれます。
- 成長期・成犬・シニアの分量表を参考に調整
- 運動量や健康状態を観察し、必要に応じて増減
- 余計な塩分や脂肪は控えめに
- 常温で冷ましてから与え、残りは冷蔵庫で管理
犬が快適に土用を乗り越えるには、日々の食事と水分補給が基本となります。
本記事で紹介したレシピをもとに、季節の変わり目をしっかりサポートしてあげてください。胃腸にやさしく、食欲もかき立てられる土用のごはんで、愛犬の元気を保ちましょう。